ホーム » コーヒーブレイクコラム » mctオイルにはどのような効果がある?
MCTオイルとは「中鎖脂肪酸油」のことを言い、以前から医療現場などで活用されてきた成分です。近年はスポーツ分野でも注目を集めており、健康維持のために摂取している方も増えていますが、具体的にどのような効果があるのかあまり詳しく知らない方もいるでしょう。
当記事ではMCTオイルについて効果やオイルの選び方、摂取時の注意点を解説します。健康な毎日を送りたい方、MCTオイルに興味がある方はぜひ参考にしてください。
目次
MCTオイルとは、中鎖脂肪酸が100%含まれた「中鎖脂肪酸油」のことです。中鎖脂肪酸はココナッツやパームフルーツに含まれている植物成分で、「ミディアム チェーン トリグリセリド(Medium Chain Triglyceride)」と言います。オレイン酸やリノール酸といった一般的な植物油に含まれる脂肪酸の一種であり、母乳や牛乳にも含まれている成分です。
油の特性は、主成分である脂肪酸の長さや並び方、種類によって変化します。食用油として馴染み深いオリーブオイルやバター、キャノーラ油などは、脂肪酸が長い長鎖脂肪酸に分類される油です。長鎖脂肪酸は水に溶けにくく、小腸で消化吸収されてからリンパ管や静脈を通り、全身に運ばれて利用され余った分は体内に貯蔵されます。
一方、中鎖脂肪酸は脂肪酸の長さが長鎖脂肪酸の半分程度しかないことで、水に馴染みやすいという特性を持つ脂肪酸です。小腸で吸収された後、水とともに門脈から直接肝臓に運ばれて、すぐにエネルギーとして分解されます。この中鎖脂肪酸のみで構成されたMCTオイルは、一般的な植物油や動物油脂より消化・吸収に優れ、エネルギー効率が4倍近いと言う特徴のある油です。
摂取してすぐにエネルギーとして活用されやすく、体に蓄積されにくいという特徴により、医療現場やスポーツ分野での栄養補給に重宝されています。また、生活習慣病予防や美容・ダイエットの分野でも注目が集まっている成分です。
MCTオイルは、近年さまざまなメディアでも名前を聞く機会が増えつつあります。実際に医療現場で長年活用されているという安心感もあり、日常生活に取り入れてみようと考える人も多いでしょう。しかしここで気になるのが、MCTの持つ効果です。「MCTオイルは健康によい」と言われていますが、一体どのような面で役に立つのでしょうか。
MCTオイルを取り入れることで得られるメリットは、主に下記の2つです。
ここでは、MCTオイルの効果について解説します。
健康的な生活を意識する人の中には、「できる限り油を避けよう」と考える人がいます。特に運動不足が気になる人や、ボディケアに励む人にとって、油はハイリスクな食材と見なされがちです。
確かに、油の摂りすぎは体脂肪の増加や内臓脂肪の蓄積によって、さまざまな疾患のリスクを高めます。しかし油は体の潤滑油として、重要な働きを担う欠かせない成分であることも事実です。油の摂取を極端に控えることは、エネルギー不足や皮膚の弾力低下を招きかねません。
中鎖脂肪酸は分解されるのが早く、脂肪として体に残りにくい特徴があります。普通の油の摂取が気になる場合はMCTオイルに置き換えて、脂肪の蓄積を抑えながら健康維持を目指してみてはいかがでしょうか。
MCTオイルでエネルギーを補給すれば、脳の栄養不足によって機能不全状態に陥るリスクを下げ、脳の働きを助ける効果が期待できるでしょう。
MCTオイルは、消化・吸収・分解までのスピードが早い油であり、エネルギーとして使われるまでの時間も比較的短めです。通常、脳のエネルギー源としてはブドウ糖が利用されます。しかし何らかの理由で取り込めるブドウ糖が減少し、脳のエネルギーが足りなくなった場合にもう1つのエネルギー源として使われるのが、ケトン体です。MCTオイルには、このケトン体の効率的な産生をサポートする効果があります。
一口にMCTオイルと言っても商品によってさまざまな特徴・形状があるため、どれを選べばよいか分からない人も多いでしょう。健康効果を目的にMCTオイルを活用する際は、自分と相性がよいものを選ぶことが大切です。
ここでは、MCTオイルを選ぶ基準として、「原材料」「成分」「形状」の3点から解説します。
MCTオイルの原材料は、ココナッツとパームフルーツ(アブラヤシ)の2種類に大別されます。ココナッツ由来のMCTオイルは熱に強く酸化しにくいと言われており、原材料にこだわりたい人に人気です。ただし、ココナッツ自体の希少価値が高いことから、比較的高価格帯の商品が多い傾向にあります。
一方パームフルーツは比較的安定して生産できるため、ココナッツ由来よりも安価なケースが多めです。基本的な製造工程や品質管理はココナッツ由来とパームフルーツ由来で大きく変わらないため、どちらを選ぶか迷った際は販売元の情報チェックをおすすめします。またMCTオイルの製法や化学添加物の有無、安全性が気になる人は、認証マークを参考にするとよいでしょう。
【MCTオイルの主な認証マーク】
MCTオイルを構成する中鎖脂肪酸は、下記の3種類に大別されます。
【MCTオイルに含まれる主な中鎖脂肪酸の種類】
「C8」の「C」は「炭素」、「8」は鎖状につながった炭素の個数です。この炭素の数が少ないほど早くエネルギーに変換され、数が多いほどゆっくりと消費されます。効率的な脂肪燃焼や速やかなエネルギー補給へのサポートとしてMCTオイルを活用する場合は、「C8」の含有率が高い商品を選ぶとよいでしょう。
MCTオイルには、液状タイプ・サプリタイプ・パウダータイプなどがあります。どのタイプにするかは、普段の活用シーンに合わせて利便性が高く自分好みだと感じる商品を選ぶとよいでしょう。
【タイプごとの特徴】
液状タイプ | 最も一般的なMCTオイルです。ヨーグルトやドリンクに混ぜたり、調理油の代わりに利用したりできます。熱や光で変質しにくい遮光瓶入りの商品がおすすめです。 |
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サプリタイプ | 持ち運びがしやすく、飲みやすいことで人気があります。気軽に摂取できるため、旅行先や外出先にに持っていきたい人や食事とは別にとりたい人にもおすすめです。MCTオイルに加えて、他の成分も含まれている商品もあります。 |
パウダータイプ | 水などに溶けやすく、ドリンクや味噌汁に混ぜても油が目立たないことで人気です。ただし、熱に弱く劣化しやすいため、保管には注意しましょう。 |
MCTオイルを摂取する際は、適切な量を守るのがポイントです。MCTオイル自体は体に嬉しい効果が期待できますが、油であることに変わりはありません。過剰に摂取すれば腹痛を起こしたり、お腹が緩くなったりする恐れがあります。
また、MCTオイルで摂取できるエネルギーは、大さじ1杯(15ml)当たり100kcal以上です。他の油よりも消化・吸収に優れており体に蓄積されにくいとはいえ、摂りすぎはカロリーオーバーを招きます。MCTオイルの1回の摂取量は小さじ1杯~大さじ1杯程度、1日に多くても大さじ3杯までが目安です。
また、MCTオイルには比較的熱に弱いというデメリットもあります。発煙・発火する温度は150~160度ほどであり、炒めものや揚げものなどの料理方法には向きません。味や香りにクセがあまりない食品のため、ドレッシングオイルの代わりやドリンクなどにそのまま混ぜて使うとよいでしょう。
MCTオイルは「中鎖脂肪酸油」とも言い、水に馴染みやすく消化・吸収に優れた油のことです。MCTオイルは分解されるスピードが早く、体に脂肪が蓄積してしまうことを防ぎながら油を摂取できます。また、素早く脳のエネルギーとして消費されるため、脳の働きを助ける効果も期待されています。
MCTオイルには液体タイプ・サプリタイプ・パウダータイプの3種類があるため、目的や摂取の仕方を考えながら、自分に適した方法で生活に取り入れてみましょう。