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認知バイアスとは?種類や弊害と対策・起こる理由について解説

認知バイアスとは、物事の判断が経験や偏見、先入観などによって非合理的な心理現象になることです。認知バイアスは仕事や人間関係において日常的に起きています。初めて会う人が眼鏡をかけていると「真面目そう」と、実際には本人をよく知らないのに感じるのも、認知バイアスの1つです。

当記事では、認知バイアスとはなにか、また認知バイアスの種類を具体例とともに解説します。認知バイアスについて知りたい人は、ぜひご一読ください。

 

1.認知バイアスとは?

認知バイアスとは、偏った思い込みで合理的ではない判断をすることを指します。過去の経験や生活環境、先入観、偏見、無意識な思い込みにより、客観的かつ合理的な思考ができなくなっている状態です。認知バイアスは、認知心理学や社会心理学などの学問で研修対象となっています。

認知バイアスは、脳に負担をかけないための機能・工夫でもあります。不安や懸念から起こるとも言われており、取り除くのは至難の業です。自分の認知バイアスについて十分に理解しバイアスがかかっていると認識することで、より公正な判断や評価を行えます。

 

2.認知バイアスの種類

認知バイアスにはさまざまな種類があり、有名なバイアスに「デジャビュ」があります。デジャビュは過去に一度も経験したことがないにも関わらず、既に経験したような感じがする心理現象のことです。過去の似たような経験が想起されることで岸間を覚えると言われています。

その他の認知バイアスでも名前は聞いたことがないものの、経験したことがあるというものもあるでしょう。

以下では、認知バイアスの種類を具体的な例を挙げながら解説します。

 

2-1.確証バイアス

確証バイアスとは、自分の都合のよい情報を無意識に集め、反証する情報を遠ざける認知バイアスの1つです。既存の知識や信念から最初に思い込みがあると、他の多様な情報があった場合でも最初の考えを支持する情報に惹かれてしまいます。

たとえば、特定の政治家を応援している場合、応援している政治家の発言や政策に対しては肯定的に受け止めるでしょう。しかし、別の政治家が同じ発言や政策を主張していても、否定的に評価してしまうことがあります。自分のイメージや好みに合わせて情報を解釈することが、確証バイアスに該当します。

 

2-2.内集団バイアス

内集団バイアスは、自分が所属する集団の人を肯定的に捉えることを指します。所属していない外集団の人よりも内集団の人を高く評価したり、内集団に対して好意的な態度を示したりすることです。同時に、外集団に対し不当な評価や差別的行動をすることも、内集団バイアスの影響であると考えられます。

内集団バイアスは、正しい判断を妨げることがあります。ビジネスシーンで起こりやすいのが、同じ職場の人々がプロジェクトの計画をしているときです。所属している部署の提案に肯定的な評価をする一方で、他部署の提案には否定的な評価をすることがあります。内集団をひいき目で見てしまう場合、最良の意思決定や判断ができない可能性があります。

 

2-3.対応バイアス

対応バイアスとは、他人の行動を見た際に、個人的特性や性格によるものだと判断する心理傾向を指します。

たとえば、勤務中に仕事をせず問題になっている人がいるとします。同僚は仕事をしていない人が怠惰であると判断してしまうでしょう。しかし、実際には仕事について十分な指示を受けていないということや、不明確なタスクに対処できず仕事を放棄している可能性もあります。

対応バイアスを理解すると、対象となる人が起こした行動を複数の選択肢から考えられるようになります。

 

2-4.過去美化バイアス(バラ色の回顧)

過去美化バイアスとは、過去の出来事や時代を実際よりもよいものとして記憶し表現しようとすることです。人は過去の出来事についてよい面ばかりを覚える傾向があります。過去美化バイアスはこの傾向が強く現れたものであり、過去の出来事を理想化することです。

たとえば、若い頃の出来事を振り返って「あの頃はよかった」と語ることがあります。しかし、若い頃を詳しく振り返ると、苦労や悩みも多くあるでしょう。過去美化バイアスは、過去の出来事について、自分を理想化するための歪んだ視点から起きます。

 

2-5.正常性バイアス

正常性バイアスとは、現在が危険な状況でも、過去の経験に基づく先入観から異常と判断できない現象のことです。

たとえば、ある地域で大きな地震が起きた場合、災害によって生じた被害や混乱を「異常」と感じます。しかし、地震が頻繁に起こり地震に慣れ親しんでいる場合は、同じ被害でも「いつものこと」「正常」と判断されることがあります。自分たちが経験していることを正常と見なし、異なる状況や行動を異常と見なしてしまうのが正常性バイアスです。

 

2-6.自己奉仕バイアス

自己奉仕バイアスとは、自分の成功を過大評価して、他人よりも優れていると考える心理傾向のことを指します。

自己奉仕バイアスは、自分の評価を上げるために、都合のよい情報を選択的に受け入れたり、成功を自分のおかげと捉えたりすることにより発生します。失敗は自分以外の原因によるものとして、他人や状況を責めることが多いです。失敗の度に自分の責任ではないと外部の失敗要因を集める傾向にあるため、同じ失敗を繰り返すといったマイナス面があります。

 

2-7.後知恵バイアス

後知恵バイアスとは、過去の出来事を振り返った際に、当時の状況や事実を無視して、後から自分の思い通りに起きたように思い込む傾向を指します。

失敗したプロジェクトを振り返る場面でも、後知恵バイアスが働く可能性があります。成功しなかった理由を当時の状況や情報を無視して、「こうすればよかった」と後知恵で考えます。しかし、当時の状況や情報を振り返ると、適切な判断やアプローチが難しかったと気が付くかもしれません。

結果よりもプロセスを評価したり、運の要素もときには関わっていたりすることを考えることで、後知恵バイアスの克服につながります。

 

3.認知バイアスによって起こり得る弊害と対策

認知バイアスは、ビジネスシーンでも影響を及ぼす可能性があります。認知バイアスにより業務や人間関係に支障がでると、判断を誤りや業績低下にもつながりかねません。

組織での認知バイアスにより起こりうる弊害は、下記のようなものが挙げられます。

さまざまなハラスメント
従業員ひとり一人の認知バイアスが行動に反映され、ハラスメントに発展することがあります。たとえば、「育児休業を取得する男性は出世欲が低い人」との印象をもつ上司がいたとします。育児休業を取得した男性は「子供も生まれたし早く出世して稼ぎを得たい」と思っているかもしれません。復帰した男性に上司が気を利かせて仕事を与えなかった場合、男性はハラスメントをされていると認識する可能性があります。
特定の属性が優先される
認知バイアスにより、特定の属性が優先される事例もあるでしょう。たとえば、経営陣の出身大学が同じで、新人も同じ大学しか受けつけないなどです。社内でも出身大学が同じ従業員の意見しか聞かないといったことがあれば、組織の公平性が劣るでしょう。
採用や人事評価の判断ミスが起こる
認知バイアスで採用や人事評価にも差がでる可能性があります。採用側が「語学力」「コミュニケーション力」に長けた人材を探しているとします。英語が堪能な人材が来ると、「一部の能力が優秀なら別の能力もある」と過大評価をするかもしれません。

認知バイアスによる弊害を防ぐには、認知バイアスがあることを自覚し、客観的に物事を捉えるよう注意する必要があるでしょう。複数人の意見も参考にし、偏った考えにこだわらないことも効果的です。

 

まとめ

認知バイアスとは、経験や偏見、先入観など偏った思い込みで合理的ではない判断をすることです。瞬時に答えをだして脳の負担をかけないための機能・工夫でもあります。

認知バイアスにはさまざまな種類が存在し、それぞれ日常的に起こり得ることです。たとえば、過去の思い出を美化する「過去美化バイアス」や何かしらの危険が頻繁に起こることで不安を感じなくなる「正常性バイアス」などがあります。

ビジネスシーンでも認知バイアスで弊害が起こる場合があるため、認知バイアスがあるのを自覚し客観的に物事を捉えることが大切です。複数の人の意見を取り入れ、考えが偏らないようにするのもよいでしょう。

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