eスポーツ業界において反射神経の鋭さは、なくてはならないスキルの1つでしょう。画面上の事象に対して相手よりも早く反応できると、ゲームの状況を好転できるようになります。しかし、自分の反射神経がいいのか悪いのか、また反射神経を鍛えるにはどうしたらよいのか、困っている方もいるのではないでしょうか。
当記事では、反射神経とは具体的に何を指すのか、また反射神経が鈍くなる原因や測定方法、鍛える方法などを解説します。
反射神経とは一般的に、脳から筋肉へと信号が伝わるまでに要する時間のことです。反射神経には「神経」の単語が含まれるものの感覚神経や自律神経とは異なり、医学的に「反射神経」と呼ばれる神経は存在しません。
外部刺激を感知した感覚神経は、脳へ情報伝達します。情報伝達を受けた脳は適切な行動を選択し、運動神経を通じて筋肉に指令を送る仕組みです。「反射神経が良い」とは、感覚神経・脳・筋肉の情報伝達速度が速く、スピーディーに反応できる性質を意味します。
eスポーツ業界における反射神経とは、画面上で発生した事象への反応に要する時間のことです。FPSや格闘ゲームなどのように高速アクションが要求されるゲームでは、反射神経の良い人が有利と言えます。
反射神経は、年齢を重ねることで鈍くなると言われます。30代から40代前半は特に、「反射神経が鈍くなった」と実感しやすい時期です。
加齢が原因でゲームの反射神経が鈍くなったと感じる場合、以下の事象も起こっている可能性が高いでしょう。
動体視力が低下すると脳への情報伝達が遅れるため、即座の行動を取ることが困難です。視野が狭まると画面上の情報を正確に読み解くことが難しく、対戦相手の手に応じた行動を取りにくくなる恐れがあります。運動神経が低下すると、「状況は理解しているものの、手が動かない」といった状態に陥りかねません。
反射神経が鈍くなるのみではなく、ゲーム中の集中力の低下が気になる場合は、以下の記事も参考にしてください。
「過去と比較し、反射神経が鈍くなった」と感じていても、実情は不明です。客観的な視点から現時点における反射神経のレベルを評価したい場合は以下の方法で測定し、実情を把握しましょう。
定規を使用した反射神経測定の手順は、下記の通りです。
1 | 家族や友人に依頼して、30cm定規の上端を持ち、縦にぶら下げてもらう |
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2 | 定規の下端0cmの位置で手を構える |
3 | 任意のタイミングで定規を落としてもらい、素早くつかむ |
4 | 定規をつかんだ手の親指上にある目盛りの数値をチェックし、記録する |
5 | 1〜4を5回繰り返し、目盛りの数値の平均値を計算する |
大まかな目安としては数値の平均値が5cm未満の場合、反射神経は十分に機能しています。平均値が大きいほど、反射神経は鈍っていると考えてください。
インターネット上で「反応速度テスト」と検索すると、簡単なゲームを通じて反射神経を測定できるオンラインツールが多数あります。たとえば、赤色のボタンが緑色に変化した瞬間に画面をタップもしくはクリックし、反応時間を計測するツールです。オンラインツール内に過去のデータが蓄積されている場合は、他の人と比較して反射神経が良いか・鈍いかを即座に表示してくれます。
反射神経を測定できるオンラインツールにはその他にもさまざまな種類があるため、無料のものを複数試すこともよいでしょう。定期的にオンラインツールを利用して結果の数字を比較すれば、「反射神経を維持できているか・鈍ったか」も把握できます。
反射神経を良くするには、動体視力を生かして適切に状況把握した上でスムーズに脳へと伝達すること・脳の指令に応じて正しく筋肉を動かせる状態を作ることが必要です。反射神経を効率的に鍛えたい場合は、動体視力のトレーニングと身体能力のトレーニングの両方に取り組みましょう。
以下では、反射神経を鍛えるトレーニングの具体例と取り組み方を解説します。
移動時間を活用して反射神経を鍛えたい場合は、電車の窓から外を眺め、看板の文字を読みます。トレーニング効果を高めるにはできる限り顔を固定して、眼球の動きで文字を読むことがコツです。自動車の助手席や後部座席に乗っているとき、対向車のナンバーやトラックの車体に書かれた文字を読むことでも同様のトレーニングを行えます。
動体視力のトレーニングは、1日数分程度以内を目安に取り組みましょう。長時間取り組むとめまいを起こすリスクもあるため、適度な時間を守ってください。
ダンスを正しく踊るには、動体視力によってステップや振り付けをとらえ、脳で情報処理した上で筋肉へ正しく信号を送る必要があります。また、一定の運動神経がなければ、送られた信号通りに踊ることは困難です。繰り返しダンスを練習すれば、動体視力と身体能力の両方を効率的に鍛えられます。
反射神経を鍛えるのに取り組むダンスは、手本の振りを真似るタイプがおすすめです。たとえば、ダンスインストラクターの振り付けを真似る「カバーダンス」やアイドルの振り付けを再現する「コピーダンス」は、反射神経のトレーニングに適しています。
スマホアプリを利用すると隙間時間を有効に活用し、反射神経のトレーニングを行えます。
アプリストアで「反射神経」と検索すると候補が表示されるため、気になるものをインストールして挑戦しましょう。アプリの選択に迷う場合は、他のユーザーのレビューを参考にしてください。
ただし、スマホアプリによるトレーニングも、目に大きな負担を掛けます。ゲーマーは趣味のゲームを行う際にも目に負担を掛けているため、トレーニング時間は適度な長さに留めることがおすすめです。
ハーキーステップとは、バスケットボールのディフェンスでよく使用されるステップです。ハーキーステップを高速で練習すれば、反射神経を鍛えられます。
下記は、ハーキーステップによるトレーニングの手順です。
1 | スクワットするイメージで上半身を起こし、膝はやや曲げて腰を落とす |
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2 | かかとを地面につけず、つま先のみでスピーディーに足踏みする |
3 | 1秒間に8回のペースを目標に足踏みを続ける |
ハーキーステップによるトレーニングは、1日1回・30秒間が目標です。連続するのが難しい場合は休憩を挟みつつ、トレーニングに取り組みましょう。
家族や友人に協力してもらえる場合には、ボールの跳ね返りをキャッチするトレーニングもおすすめです。自分がボールをキャッチする側の場合、壁から3m程度離れた位置に座ります。家族や友人は自分の後方に立たせ、任意のタイミングで壁に向かい、ボールを投げてもらいましょう。壁に当たって跳ね返ったボールをキャッチします。
トレーニングに慣れて毎回必ずキャッチできる状態になった場合は、壁との距離を広げるもしくはより高速でボールを投げてもらうと、難易度を高めることが可能です。
なお、反射神経を良くするには、脳を活性化させて判断スピードを高める方法もあります。脳を活性化させる方法について知りたい人は、以下を参考にしてください。
反射神経とは、ある動作に必要な信号が脳から筋肉へと伝わるまでに必要な時間のことを指します。eスポーツ業界においては、画面上に発生した事象への反応に対する時間のことを指し、反応するまでの時間が短いほど有利です。
反射神経を鍛えるには日常的にトレーニングをするのがよいでしょう。スマホアプリを利用したり移動中に外を眺めて看板の文字を見たりすることでも鍛えられます。普段運動不足を感じる方は、ダンスを練習したり家族や友人に協力してもらいボールの跳ね返りをキャッチしたりするのがおすすめです。